キツネ と タヌキ はひさしぶりに満腹になった腹をさすりながら話をしています。「キツネさんよ。腹いっぱ
いになると、ちっちゃいことが気になってこないかい」「たしかに。一つ問題が解決すると 必ず別の問題が出
てくるね」 とキツネ。「オレ 今そんな感じ。腹いっぱいになったら すべて幸せと
思っていたけど 忘れていた悩みが頭に浮かんでくるんだよ」タヌキは いやなことを思いだしたように 言いま
した。「仲間にいやな奴がいて、 あいつがいなくなれば問題解決と思っていて いざいなくなると今までかくれ
ていた 別のいやな奴が必ず出てくるだろう そんなものかもよ」「食い物のことしか考えてないと思ったら キ
ツネ君も たまにはいいこと言うね」「腹ペコだと それどころじゃないけどな」 キツネは照れながら言いまし
た。「 腹ペコだと悩みを忘れるけど 腹いっぱいになると悩みが出てくるし ・・・あーあ ・・・」
タヌキは真剣な顔で腕を組みました。
木八郎
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