風光明媚(ふうこうめいび)な景勝地を訪ねると、短歌や俳句、詩などを刻んだ文学碑をよく目にする。青森県
内でも各地に建っている。その中で最も多いのは、大町桂月(1869〜1925年)の碑ではないのか。
明治から大正にかけて短歌や俳句、評論、紀行文などで活躍した文人。十和田湖と奥入瀬渓流の魅力を全国に発
信した人物としても知られる。
焼山地区で奥入瀬川に合流する、蔦川の砂防公園の一角。この場所を詠んだ短歌かどうか定かではないが、周囲
のブナ林が作品の世界に誘う。出典は『蔦温泉帖』に収められた短歌。ミズバショウの絵を添えている。
さく花に青葉まじりて春夏をひとときに見るみちのくの山
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