今後、ソフトとどう共存し、将棋の魅力を伝えていくのか。 | |||
将棋のコンピューターソフトの進歩が著しい。将棋のプロ棋士5人と将棋ソフトが戦う電王戦で棋士側は1勝3
敗1引き分けで負け越した。今年は人間がコンピューターに敗れた年として将棋史上、記録に残るだろう。今 後、ソフトとどう共存し、将棋の魅力を伝えていくのか。将棋界の模索が続く。 81のマスがある将棋の変化数は10の220乗、天文学的な数であり、その変化を読むのはコンピューターで も難しい。 将棋ソフトは1970年代に開発され、当時はアマチュア初心者にも勝てない棋力だった。しかし、コンピュー ターの性能が高くなるにつれ棋力も向上。2007年に登場した「ボナンザ」は化学反応の制御理論を応用した 画期的なソフトで、一気にプロに近い強さを獲得した。 「ボナンザ」のプログラムは公開され、次々に強いソフトが登場している。三浦八段に勝った「GPS将棋」は 679台のコンピューターを使った。1秒間に2億7千万手を読んだという。読む速さでは到底、人間はかなわ ない。 プロ棋士の魅力はアマチュアの想像を超えた深い読みと強さだ。だからファンの夢を壊さないように「将棋のト ップ棋士はソフトと戦うな」という意見も出てくる。 だが、逃げていてはコンピューター時代に対応できない。進歩もない。危機意識を持って真正面からぶつかるし かない。そこから人間同士の対局ではなかった発見があるはずだ。 | |||
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