上杉謙信が後世に残した家訓とは、どのようなものだったのでしょうか。
1、心に物なき時は心広く体泰なり
自分を見失わないでいられる時は、心が広々として、体もゆったりするものだ
2、心に我儘なき時は愛敬失はず
我儘に振舞うことがなければ、人に接するときも柔らかくなり、敬えるものだ
3、心に欲なき時は義理を行ふ
貪欲な気持ちがない時は、どんな人に対しても思いやりの気持ちが持てるものだ
4、心に私なき時は疑ふことなし
私心がなければどんなことに対しても、疑う気持ちは起きないものだ
5、心に驕りなき時は人を敬ふ
偉ぶるような心がなければ、人の真価を認め敬うことができる
6、心に誤りなき時は人を畏れず
やましい気持ちがないのであれば、人をおそれることはない
7、心に邪気なき時は人を育つる
偏った見方や考え方がない時は、その生き様を周囲が見ておのずと育っていく
8、心に貧りなき時は人に諂うことなし
がつがつした気持ちがなければ、人の機嫌を取らなくてもすむ
9、心に怒りなき時は言葉和らかなり
怒りの気持ちがなければ、言葉も柔らかくなり、人も耳を傾ける
10、心に堪忍ある時は事を調う
どんなことにも耐え忍ぼうとするときは、物事を整えることができる
11、心に曇りなく時は心静かなり
心が晴れ晴れとしていて清々しいときには、心も穏やかになるものだ
12、心に勇みある時は悔やむことなし
困難を乗り越え実行するには勇気が必要。思い切れば悔やむこともない
13、心いやしからざる時は願い好まず
いやしくないときは無理な願望を持たず、耐え、努力することでつかむことができる
14、心に孝行ある時は忠節厚し
本当に尽くそうと心がける時は、自ら主君に仕えようとする気持ちが深いはずだ
15、心に自慢なき時は人の善を知り
うぬぼれの気持ちがない時は、人の良さ、素晴らしさを実感することができる
16、心に迷いなきときは人を咎めず
しっかりとした信念があれば、人を怪しんだり責めたりしないものだ
|