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この頃の若者による暴力沙汰、ことに殺人事件の多いのには、心を暗くさせられます。殺人が多いと同じよう
に自殺も増えています。 他人の死について深く受けとめない分、自分の死についても深刻に考えようとしない。 要するに今の若者には、生と死について認識が非常に弱いということができます。 この頃の病人や老人は家庭で家族にみとられながら死んでゆくということがなくなったということです。 老人ホームで死んでゆく、病院で死を迎える。 だから人間の死の厳粛さ、その重さ、そして残酷さを今の若者は目で見ることがない。 したがって、生と死を殆ど考えようとせず、重いはずの死が、実に軽い意味しかもたなくなってしまっている のです。 若者にとりまく現代の環境は、生命の尊厳や死の重大性を否定する方向に向かっていることは確かです。この ことは実に恐ろしく危険な社会風潮であります。 木八郎 | |||
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