人間の「考えること」の始まり


今日はどうして人類だけがこうも寿命が延びたかについて考えてみたい。

それは人類だけが考える動物になったからだという。二本足で立つことを覚えたときに、歩くために必要なく

なった前足(手)を何に使おうかと考えたのが人間の「考えること」の始まりだそうだ。やがて地球上で火を

使うことを考え出した人間は、とめどなくその思考力を発達させた。「考える人」「人間は考える葦である」

「我思うゆえに我あり」などの芸術家哲学者の言葉を借りるまでもなく考えることは他の動物にない唯一の特

徴であり、ついに今日の科学技術文明にまで達した。ところが、最近、技術文明の進歩によるあまりにも便利

な生活状況のなかで考える習慣がおろそかになるという恐ろしい現象が見え始めた。テレビは向こうから目に

飛び込んでくる。思考を必要としない。時間もデジタルでないと時間がわからない小学生もでてきたという。

こんなことでは人類は恍惚老人ばかりが増え、昔の短命時代に逆戻りしてしまうかもしれぬ。

何でもよい、毎日何か一つ、真剣に考えよう。それが若さを保つ最大のポイントであり、長命の秘訣でもある

                       木八郎

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