| |||
夫93歳、妻88歳の老夫婦、夫の資産は10億円、子供はいない。共に兄弟姉妹がおり、夫が先に死亡した
場合、財産は妻に四分の三、夫の兄弟姉妹に四分の一渡る。 妻が先に死亡すると、夫の死後、夫の兄弟姉妹に全財産が回り、妻の兄弟姉妹には一円もゆかない。どちらが 先に死ぬかで、それぞれの兄弟姉妹の法定相続分は大幅に違ってくる。そこで両方の兄弟姉妹が話合い、「老 夫婦を離婚させ、生前に財産分けをしたら」と話がまとまった。これなら誰も財産を取りはぐれることはない からというのである。 法律事務所で兄弟姉妹の代表から話を聞いた弁護士さんはびっくり仰天し、「そんな離婚相談には応じられま せん。よくもよくもそんな相談を持ってきたもんだね。高齢の二人を無理矢理別れさせるなんて、そんなこと しなくても遺言状を書いてもらえば済むことです」と言い渡したというのです。 遺産相続のもめごとは、これまでならごく限られた富裕階級の出来事でした。それが今では一挙に大衆現象に なってしまったのです。財産分けが早過ぎると、子供たちが老後の世話をしてくれなくなると心配するお年寄 りも多くいます。相続が“争続”になってしまう現代は、親子、家庭のきずなすらも“金縁”でしかないので しょうか。財テクも結構ですが、心の財テクを忘れていては、絶対幸せな家庭にはなりません。 木八郎 | |||
| |||
| |||
この掲載物についてのお問合わせはこちらからご連絡ください。 |