短歌 大震災、津波、原発、跡に残った風景は、、、北風に地肌は荒れ凍りつく 

大震災、津波、原発跡に残った風景は、、、乾きたる 地肌は荒れし 北風の 跡をそのまま 凍りつきたり



乾きたる 地肌は荒れし 北風の
   跡をそのまま 凍りつきたり

雪どけの どろはね散らし 走りすぎる
   自動車よいっそ小気味よし

雪なげの 子にまつわって 離れぬ犬
   幼き声に 叱られていつ

粉雪の まばらふる空 ネオンの灯り
   天にも地にも にじみてともる

煮えかえる 怒り抑へて 帰る夜の
   踏まれてきしむ 雪の抵抗

吾が頬に 小雪まじりの 風いたく
   足をはやめて 橋をわたれり

湯気あげて 淡雪とくる 駅前の
   ひかりのなかに 人らうごめき

かにかくに 年あらたまる 朝なり
   心つつましむ ものを言ふにも

神の井の 清き溢れに 口すすぎ
   今年の幸を つつしみて祈る

陰々と 除夜の鐘の音 ひびき来ぬ
   年立つ朝の ゆたけくもありて

誰がために 祈るにあらず 自らを
   清からしめと 柏手をうつ

明けやらぬ港の社をおがみきし
   浜人達の靴の音きこゆ

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