東京・大阪・京都の三大都市の郊外などに天幕小屋を設け箕づくり | |||
日本のジプシーと呼ばれるサンカとは、いったいどんな民族であったろう。
彼らは自ら純粋の山和民族をもって任じ、太古神代に、われわれの先祖が穴居生活をしていた時代からこの地 に住み、明治、大正を経て敗戦前後まで、東京・大阪・京都の三大都市の郊外などに天幕小屋を設け箕づくり で生計を営んでいたことは、いまも伝承として語りつたえられている。最近では、ほとんど絶滅に近い状態に 全国に散らばってしまい、彼らの天幕小屋は発見しにくいが、いまだに全国には一万近いサンカが原始そのま まに生きているという。 彼らの生活は、きびしい掟や古くからの慣習をがんこに守り続け、その組織も丹波(京都)にいる大親分を最 頂点に各国別の親分の統率のもと、各末端まで一糸乱れむ家族共同体をたもっている。 彼らは性温順で義を重んじ、ひょうかんで野生的な一面があるといわれるが、彼らにはどんな宿命的な歴史が 背負わされているのだるうか。 (三角寛 山窩物語より) | |||
| |||
| |||
この掲載物についてのお問合わせはこちらからご連絡ください。 |