震災1ヶ月仙台の壮絶な被災現場の状況から3ヶ月今の思い

土台に座り込んだままの老婆、風鈴が鉄骨に絡みついていつまでも鳴り続けていました。


震災から3ヶ月経ちますが、まだまだ復興はゼロの状態にも至らない状態です

仙台に帰った時には、あまりにも壮絶な光景にただただ立ち尽くし、カメラを向けることさえ出来ませんでし

た。そこはどんな言葉をもってしても筆舌に耐え難い、全く色のない無の世界でした。瓦礫の山の全ては、誰

かの大切なものや、その地の歴史文化建築物が全て破壊され、圧倒されるばかりでした。赤い旗の下と、車に

は赤いスプレーで遺体の場所が印されており、荒野に咲く赤い花のようにあちらこちらに点在していました。

そこに訪れる沢山の遺族の声にならない叫び、土台に座り込んだままの老婆被災者の数だけの悲しみを見まし

た。有り得ないほどの高さまで津波で押し上げられた風鈴が鉄骨に絡みついて、野晒しになった地に海風が吹

き、いつまでも鳴り続けていました。その光景は極楽浄土か地獄絵図なのかとにかく、あんな気持ちで風鈴を

聞くことは生涯ないでしょう。まだまだ震災復旧の仕事は続いていますが、おそらく僕は写真を撮る気持ちに

はなれないと思います。震災については、政府や自治体の対応の不満など、まだまだ思うことはありますが、

また今度にします。今回の震災で沢山のことを考えさせられました。これからの自分に生かして行きたいと思

って頑張っています。

                                       禎 11.0623

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